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とっておきの絵本を2冊ご紹介!

2011/06/14, 16:53

絵を食べるライオン 俺って王様?!考え込んでいるライオンの表情がキュートです  皆様、こんにちは。この2週間ばかり、イタリアも日本の梅雨並みに、連日、雨に降られていますが、この太陽と雨がめまぐるしく入れ替わる気候は、森のキノコの成長に最適なため、キノコ狩りをたしなむ人たちにとっては、まさしく恵みの雨。笑いが止まらないようです(毒キノコにあたったのかも?!)。

さて、ボローニャ・レポートでの予告通り、今回はライオンが主人公の絵本を紹介しましょう。

1)“Il leone mangiadisegni”(絵を食べるライオン)
 ≪子どもの描く絵が大好物のライオン。起き抜けに30枚、昼食に50枚、おやつに12枚、夕食に60枚…、食べる絵が無くなって、人を食べ始めたら大変と、子どもたちは毎日朝から晩まで絵を描き続ける破目になり、困り果てて一計を案じます。≫ 子どもたちが無理強いされて描いた絵はライオンにとって味気なく、飢えを満たすには足りません。やがて、ライオンも自ら絵を描くようになりますが、最初は少しくらい拙くても(不味くても)、子どもに褒めてもらって、次はもっと上手く(美味く)描こうと頑張ります。お絵描きの楽しさ、お絵描きを楽しむことの大切さがメッセージとなっているわけですが、“L’orso con la spada”(剣を持ったクマ)と同じ挿絵画家Gianluca Foli’による、カラフルなたてがみを持ったライオンの姿が実にユニークです。幼い子どもの描く色鮮やかな絵が、文字通り、血となり肉となっているわけですね。

2)“Io sono il re?!”(俺って王様?!)
 《森ではゴリラに馬鹿にされ、草原ではゾウにねじふせられる。俺って百獣の王…だよね?! アイデンティティの危機に立ち向かうライオンの物語。》 文と絵は1988年に挿絵画家部門でアンデルセン賞受賞暦のある実力派Daniele Nannini。自信をなくし、だんだん弱気になっていく、ライオンの言葉と表情が絶妙な筆致で描かれています。衝撃のラストシーンで泣くか笑うかは、あなた次第。是非、神保町本店でお手に取ってご覧ください。

いずれの作品においても、もはやジャングル大帝のような、王者の絶対の自信と風格は過去のものとなり、現代を生きるライオンたちは、それなりに苦労を重ね、自己能力の限界を意識しながら、涙ぐましい努力を続けているようです。頑張るライオンたちを皆で応援しましょう!

獅子達の目覚める三月ーBologna Children's Book Fair 2011- その2

2011/04/26, 19:48

img11040004_1 img11040004_2  ところで、2010年度国際アンデルセン賞画家賞を受賞したのはドイツのユッタ・バウアー(Jutta Bauer: 1955‐)でしたので、慣例に従い、彼女が2011年度イラストレーター年鑑(近日神保町本店に入荷予定です)の表紙を飾り、絵本原画展の入口に彼女の個展スペースが設けられましたが、今年はさらに、ボローニャ児童図書展とスペインのSM財団による第1回(2010年度)国際挿絵大賞(Premio Internazionale d'Illustrazione Fiera del Libro per Ragazzi – Fundación SM)を受賞した、フィリップ・ジョルダーノ[このブログで以前にピノッキオ君が紹介した『まっくろくろのおばけちゃんのぼうけん』(文:デヴィッド・カリ/岩崎書店)の挿絵画家です。]がSM社から刊行したばかりの” La Princesa Noche Resplandeciente”(=かぐや姫、日本の竹取物語を下敷きにしています!)の原画展も併設され、見応え倍増のトリプル原画展でした。
 最後に、このボローニャ児童図書展、私は基本的にアンテナを“受信”にセットして歩き回りますが、当然、これはと目星をつけた出版社のブースに原画を持ち込むイラストレーターなど、“発信”する入場者も少なくありません。会場入口付近には延々と続く白壁に、自己紹介・宣伝のメッセージを自由に貼り出せる伝言スペースが有り、初日の午前中から既にその大半が埋まりつつあるという、発信電波の勢いの良さには圧倒されました。そして、イラストレーター年鑑販売窓口の隣には、日本国際児童図書評議会(JBBY:IBBYの日本における窓口)のカウンターが有り、東日本大震災に関するJBBYのメッセージを記したパネルが掲げられていました。また、パビリオン内には、原子力発電所をテーマにした児童書を宣伝しているイタリアの出版社のブースも有りましたが、原子力発電所再導入をめぐるイタリアの国内事情に加えて、福島第一原発事故により、注目度が上がっていました。どちらも今年ならではの悲しみや迷いに、直接的あるいは間接的につながるものとして、しっかりと胸に刻み付けておきたい場面でした。
 2011年度ボローニャ児童図書展についての報告は以上となりますが、恒例の児童書特集のご案内の準備に取り掛かりました。今年も粒揃いになる予定ですので、どうぞご期待ください!!

獅子達の目覚める三月ー Bologna Children's Book Fair 2011

2011/04/06, 01:37

ボローニャ絵本市の入り口  皆様、こんにちは。季節は巡り、ふたたびボローニャ児童図書展の時期となりました(2011.03.28.-31.)。はりきって初日に出掛けることにしたのですが、当日は生憎の雨模様。事務所までスーツケースを取りに行く途中、通りすがりの車から盛大な水飛沫を頂戴してしまい、哀れ、濡れ鼠に…。フィレンツェを出発する前から早くもケチがついたのでは?と、一瞬は気落ちしたものの、いえ、これもすべて私の芸の未熟さによるもの、次回は操り糸の動きもしなやかに、軽々と舞い上がって泥はねを避けて見せましょう、と気を取り直し、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から特急列車フレッチャ・ロッサ(Freccia Rossa=赤い矢、ジャンニ・ロダーリの傑作『青矢号―おもちゃの夜行列車』に倣うと、赤矢号ですね!)に乗り込み、一路、赤煉瓦の街並みが美しいボローニャへ。
 会場に足を踏み入れるとすぐに、ボローニャ・ラガッツィ賞(BRAW: BolognaRagazzi Award)受賞およびノミネート作品展、絵本原画展、主賓国展、講演会場、イラストレーター年鑑展示・販売窓口等が集合しており、その先に各社の展示ブースが並ぶ4つのパビリオンが続いているのですが、今年は大掛かりな模様替えがあり、例年通りの方向感覚で進もうとした私はぐるぐると堂々巡り、目が回りそうになりました(汗)。
 2011年度のラガッツィ賞では、フィクション部門での受賞とノミネート、オペラプリマ部門(新人作家の作品対象)での受賞を勝ち取ったフランス、ノンフィクション部門での受賞とノミネートを勝ち取った韓国、ニューホライズン部門(アラブ諸国、ラテンアメリカ、アジア、アフリカの出版物対象)の受賞[文:Lucrecia Zappi /絵:Maria Carolina Sampaio 『MIL-FOLHAS – HISTÓRIA ILUSTRADA DO DOCE』COSAC NAIFY 社刊(ブラジル)......“ミルフィーユ”のタイトルが示すとおり、時代の変遷とともに幾層にも重ねられてきたお菓子の歴史をイラストでたどる絵本ですが、昔のポスターや写真をたっぷり挟み込んだ、少し懐かしい味わいの作品に仕上がっています。]とノミネートを独占した、ブラジルとメキシコの中南米勢の活躍が目立ちました。
 また、今年の主賓国はバルト三国のひとつリトアニアでしたが、真っ白な壁に無数の窓を用意し、作品ごとにその窓の開け閉めが出来るように工夫した展示方法の面白さもさることながら、ひとつひとつの窓の中に収められた作品の完成度の高さには目を見張るものがあり、主賓国としての意気込みに相応しい結果を伴う、大変充実した展示内容でした。なお、余談ですが、4月2日はアンデルセンの誕生日にちなんだ「国際子どもの本の日」であり、今年度のポスター&メッセージを担当した国際児童図書評議会(IBBY)加盟国は、偶然にも同じくバルト三国のエストニアなのです。せっかくですので、残るラトヴィアにも同様に、児童図書の分野で世界的に脚光を浴びる機会が年内に与えられるといいですね。
 さて、今回のブログのタイトル『獅子達の目覚める三月』は、先日発表されたマンガ大賞で第1位に輝いた将棋漫画『3月のライオン』をもじってつけてみたのですが、それは、本会場内で得た数々の収穫の中でも、ライオンを取り扱った作品がひときわ光彩を放っていたからです。百獣の王として、恐れ敬われるはずの獅子ですが、今年度のラガッツィ賞フィクション部門受賞作品であるイソップ寓話集を始め、実際に物語に登場させてみると、向かうところ敵無しというわけでもなかったり、あるいは猫的な愛嬌を持ち合わせていたりもするのですが、いずれにしても、今、この動物に注目が集まっていることは間違いありません! 具体的なタイトルと内容については、後日あらためてご紹介しますので、どうぞお楽しみに♪

Ti ricordi il calcio?

2010/06/16, 10:18

img10060002_1 11日から開催中のサッカー・ワールドカップ南アフリカ大会ですが、昨日14日は日本が1-0でカメルーンに勝利、イタリアは1-1でパラグアイと引き分けました。それぞれ初戦ということもあり、日本でもイタリアでも少し緊張感のある盛り上がりだったと思います。フィレンツェではミケランジェロ広場に、W杯公式街頭応援場である現代(ヒュンダイ)ファンパークのひとつが設置され、40平方メートルの巨大スクリーンで昨晩の試合を観戦したサポーターも少なくありません。ロザウラの友人にもラッパ持参で駆けつけた人がいます。

さて、今回ご紹介するのは、サッカーをテーマにした未来小説“Ti ricordi il calcio?(君はサッカーを覚えているか?)”です。《西暦2030年。全世界の公の場からサッカーというスポーツが姿を消してから、既に20年という歳月が流れていましたが、この20周年を記念して、サッカーの過去の栄華を再現するようなルポルタージュを作成するよう命じられたジャーナリストがいました。サッカーに関する興味深いエピソード、才能に溢れたプレーヤーたち、感動的なゲームなど、その魅力をふんだんに盛り込んだ彼の記事は大成功を収め、読者のひとりである15歳の少年ジジの空想をかきたてます。「ボクも『ゴール!』と叫びながらシュートを決めてみたい…」》

 現実の人気選手、ファビオ・カンナヴァーロおよびジャヴィエル・ザネッティへのインタビューを織り交ぜ、複数言語によるサッカー語彙集を付けるなど、
サッカーづくしの1冊ですが、総頁数は76頁とそう多くはありませんので、W杯期間中の熱狂、または終了後の余韻とともに、読んでみてはいかがでしょうか。それにしても、今大会を最後にサッカーが消滅してしまうなんて、大胆な発想ですよね…。

Nat e il segreto di Eleonora

2010/06/11, 09:35

img10060001_1 img10060001_2 さて、ロザウラから皆さんにお勧めしたいタイトルもいろいろあるのですが、今回ご紹介するのは、今年4月にイタリアで公開されたばかりの仏伊合作アニメ映画“Nat e il segreto di Eleonora(ナットとエレオノーラの秘密)”を絵本にしたものです。見開きいっぱいに広がる映画のワンシーンの下、字幕さながらに文章が綴られ、まるで小さなスクリーンの前に座っているような気分を味わえる演出も心憎い、素敵なアニメ絵本です。

 作者のレベッカ・ドートゥルメール(Rebecca Dautremer)は1971年南仏生まれで、イラストレーターとして成功した後、物語の創作も始め、本作は彼女にとって初めてのアニメ映画です。「温かみのある色と明確な線」が彼女の作品制作のモットーとのことで、暖色系統、特に赤の使い方が印象的な作品が多いのも頷けます(本木雅弘夫人・内田也哉子訳による『恋するひと』[朔北社/2005]でも赤モード全開!)。蛇足になりますが、著者近影でも赤い服を着ているので、きっと、この色に強く深く、心惹かれているのでしょう。

 ところで、肝心の物語ですが、《少年ナットは、海辺にあるエレオノーラ伯母さんの家で過ごす夏の休暇が大好きでした。伯母さんがいろいろな童話を読み聞かせてくれるのを、何よりも楽しみにしていたのです。その伯母さんが天国へと旅立ち、両親は屋敷を、姉のアンジェリカはロシアの磁器人形を、ナットは秘密の部屋に保管されていた世界中の童話の初版本を譲り受けることになります。しかし、その晩の大嵐により被害を受けた屋敷の修繕費用を捻出するため、ナットは自分のものとなった貴重な古書を売りに出すことを提案します。伯母さんの形見として1冊だけ手元に残すことになり、秘密の部屋に足を踏み入れますが、たくさんの本を前にして途方に暮れているうち、本の頁から浮き上がってきた文字に襲われて気を失ってしまいます。目を覚ましたナットを取り囲んでいたのは、童話の登場人物たちでした。彼らは、エレオノーラの後継者が、部屋の壁に刻まれたフレーズを声に出して読まなければ、今日のお昼の十二時に跡形も無く消え失せてしまうというのです。まだ字を読むことは覚束ないものの、彼らを救うべく、ナットは一生懸命にそのフレーズを読もうとしますが、文字が動き回るため、上手く読むことができません。そのうち、古書を引き取りに来た古物商の声がして、ナットに裏切られたと怒った魔女は、彼を自分たちと同じ大きさに縮めてしまいます……。》この後、ナットは童話の登場人物たちと力を合わせ、また、アンジェリカや隣人アドリアンの協力も得て問題解決に当たりますが、1体の磁器人形という相続内容に少しがっかりしていたアンジェリカも、その中に隠されていたもう1つのエレオノーラの秘密により幸運を授けられて、あちらもこちらもめでたしめでたしで幕引きとなります。

ちなみに、ナットが大きな声で読まなければならなかったフレーズというのは、“Non e' perche' e' una favola che non esiste(童話であるからといって、存在しないわけではない)”でした。ナットは古今東西の童話の初版本に魂が吹き込まれていることを知り、これを助け守り抜くことで、名実ともにエレオノーラの秘密の後継者として認められたわけですが、私たちが本を読む時、つい物語に引き込まれて、頁から頁へと展開する出来事を実際に体験しているような気持ちになることがよくあります。そのように頭の中で現実味を帯びるだけの要素を備えた物語に私たちは惹かれるのであり、また、私たちの頭の中で具現化されて存在感を増すことで、物語は文字通り“生き生き”としてくるのです。 “Nat e il segreto di Eleonora”は、こうした物語と読み手との緊密な関係についてあらためて気づかせてくれるわけですが、本そのものや読書というテーマに正面から向き合った、いわば劇中劇のような作品として、子どもの活字離れにも歯止めを掛ける1冊になってくれることを期待したいと思います。

追伸:版元Gallucci Editoreの話では、いずれD VDも同社から発売する予定とのこと。DVD化が決定した際には、またお知らせしたいと思います。

By かくいう私も『ピノッキオの冒険』の登場人物ロザウラ

ピノッキオ君が選んだ、イチ押しのイタリア絵本

2010/05/19, 23:38

クジラに世界が描かれています 人々の服装も当時の様子を物語っています  お待たせいたしました!今年の「ボローニャ絵本見本市」で見つけた、とっておきの絵本のチラシがついに完成しました。只今印刷中ですので、DM発送までにはもう少し時間が必要です。そこで、チラシで紹介している絵本の中でも僕が惚れ込んでいる絵本を、ここにちょっぴり予告編として紹介させて頂きますね。

「Vorrei Avere…」
文:Giovanna Zoboli/ 絵:Simona Mulazzani
 原寸でお見せできないのが残念!昨年のチラシでご紹介した「Al Spermercato degli Animali」でもお馴染み、イタリアで今もっとも旬なSimoma Mulazzaniによるイラストは、色鮮やかで幻想的。本当に美しい絵本です。
タイトルは、「(僕は)持ちたい…」。さて、何を?それがページを繰るごとに歌い上げられています。「遠い大洋から届く歌声の様な、クジラの声を」「いつの日か飛び立つ雁の翼を」。。大自然の風景を、美しい1行の詩と共に納めた各ページは、めくるごとに貴方を遥かな世界にいざなってくれるでしょう。
最後のページには、ラフスケッチのコラージュが。これもイラスト好きにはたまらたいおまけかもしれませんね。

「Casa del Tempo」
文:Roberto Piumini/ 絵:Roberto Innocenti
 1656年に建てられた私、つまり「家」が、自分の中で生活を営んだ人々の思い出を、韻を踏みながら淡々と語ってゆく絵本。日本でも「百年の家」と言うタイトルで、今年の春出版されていますね。
300年ほど忘れられていた「私」が、ある日やってきた家族に手を加えられ、もう一度家として蘇ります。若い二人が庭でアットホームな結婚式を挙げ、子供が生まれ、「私」も増築されました。しかし、不幸な戦争がはじまり、冬の時代がやってきます。ファシズムが幕を開け、ナチスの兵隊を逃れる家族、やがて陽気なアメリカ兵が現れ。。
Innocentiの細かくて写実的な絵は、まるで図鑑のように各時代の生活様式を丁寧に描き出しています。イタリアの20世紀を、農村の家の視線から辿る、既存のものとは一味違う歴史ガイドともいえるでしょう。

 その他の新刊絵本と合わせて、上記の絵本も来週末には神保町に届く予定です。お近くの方は、ぜひ店頭でもご覧になってくださいね。
次回ブログは「ロザウラちゃんが選んだイチ押しのイタリア絵本」です。お楽しみに!

2010年度ボローニャ児童図書展

2010/04/03, 17:30

スロヴァキアの知識の花  皆様、ご無沙汰しております。春になると土の中から這い出してくる(?)ピノッキオ・ローザことロザウラです。日ごとに暖かさを増す陽射しと、それを遮るように垂れ込めてくる雲が、交互に入れ替わる気まぐれな空模様の下、先週、ボローニャで開催された恒例の児童図書展に行って来ました。現在、フィレンツエ⇔ボローニャ区間は全席指定の特急列車でノンストップ37分間ですので、フィレンツェ支店にとっては、文字通り最も身近なブックフェアです。

今年のBRAW賞(BolognaRagazzi Award)展示作品の中では、日本(ワンストローク)からは駒形克己のポップアップ絵本『Little Tree』がフィクション部門でノミネートされ、さらに、今回はアメリカ(The Creative Company)での出版となりましたが、イタリアの前衛的イラストレーター、ファビアン・ネグリンの『The Riverbank』がノンフィクション部門で受賞しました。また、ニューホライズン部門(アラブ諸国、ラテンアメリカ、アジア、アフリカの出版物対象)ではブラジル(Cosac Naify)から『Tchibum』という表紙部分が伸縮する仕掛け絵本がノミネートされました。これまでは少し地味なイメージのあったブラジルの出版物ですが、今年はブースを回ってカタログを集めるうちにも目を惹く作品が上記ノミネート作品以外でもちらほら、今後のさらなる発展に大いに期待を寄せています。

さて、今年の招待国はスロヴァキアでした。知識の小さな種、すなわち児童書が、生命の循環の象徴である木(スロヴァキア)から飛び出して世界中に広まり、緑の野に根を下ろして花を咲かせる…というコンセプトで、この60年間にスロヴァキアの児童書の挿絵作家として活躍した32名のイラストを、野に咲く花に見立てた螺旋型パネルで各自5点ずつ展示していたのですが、実際に手に取って頁をめくることの出来る絵本そのものが添えられていないこともあり、コンセプトとは裏腹に無機質というか、広がりに欠けるというか、昨年の韓国展のような勢いを感じることが出来ず、私にとっては少し物足りない展示会場でした。

 そして、イタリア書房に関係のある国々のブース訪問を終え、持参したスーツケースがカタログで一杯になると、最後に原画展を心ゆくまで楽しむことにしています。今年のイラストレーター年鑑の表紙を飾ったのは、昨年、第22回ブラチスラヴァ世界絵本原画展(BIB 2009)でグランプリに輝いたスペインのタシエスの作品で、深みのある青と赤のコントラストが印象的な、力強いタッチの作品が、原画展入口の個展スペースに並んでいました。本会場では、昨年までのコラージュ・ブームが鳴りを潜めた一方で、今年は版画作品が目立ち、こちらも版画、あちらも版画と、気が付くと会場内で版画探しをしてしまったほどです。

 以上、2010年度児童図書展の風景点描でしたが、このボローニャでの収穫を元に、現在、児童書特集のご案内を準備中ですので、楽しみにお待ちくださいませ♪

イタリアのお守り 「Cornetto Rosso」

2010/02/18, 10:37

img10020001_1 最近、日本ではラッキー・チャームが流行っているそうですね。
イタリアのお守りと言えば、一般的なのは「Cornetto Rosso(コルネット・ロッソ)」と呼ばれているPorta Fortunaです。
南部イタリア、特にナポリなどでは、お土産屋さんなどでよく見かけますよね。「とうがらし?」と間違えられたりするようですが、これは「赤い角」を表しています。

このCornetto Rossoの由来は、紀元前3500年頃のギリシアに遡ります。
ドアの外に動物の角をかけ、動物の出産を助けるイジデ神に「子孫繁栄」と「成功」を祈ったのが始まりとされています。
時は流れて中世イタリアでは、「赤」は勝利の色として大変重宝され、「赤い角」は敵に打ち勝つためのものとして、お守りの地位を不動にしました。
さらに「魔術や呪いから身を守る」という魔除けの意味も加わって、現在に至ります。

さて、長い歳月イタリアで愛され続けているこのお守り「Cornetto Rosso」を、神保町のお店にもいくつか送りましたで、是非ご覧になってください。
Ponte Vecchio近くのジュエリー・ショップのシニョーラに、赤い珊瑚に金線をあしらった「赤い角」を特別に作ってもらいました。ある文献で、「このお守りは、人の手で作られたものでなければ効果を発揮しない」と書かれていたからです。赤い珊瑚自体にも、幸運を呼び寄せる、という意味があるそうですよ。
このジュエリー・ショップ「Lo Spillo」の工房兼お店のある場所は、もと教会の聖具室だったところ。まさにパワースポットで作られたお守り、というわけです。
またLo Spilloのお得意様名簿には、ベルギー王妃、フェラガモ一族、コルシーニ家など、名だたる貴族達が名を連ねていることからも、デザインの良さがわかりますよね。

3月8日のFesta della Donna(女性の日)も近いし、大切な女性へのプレゼントにお勧めです。
またイタリアでは、赤い珊瑚のペンダントは、出産のお祝いにも喜ばれるそうです。珊瑚のネックレスをしたイエスが描かれた聖画がいくつかありますが、中でもピエロ・デッラ・フランチェスカが有名ですよね。

今年も皆さんにとって幸多い年でありますように、祈りを込めてお届けします!


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